あ行
<一時金>
毎月の給与のほかに支払われる臨時給与の総称。ボーナスとも言うが、一般的に労働組合側は一時金と言い、会社側は賞
与と言う。労働者にとっては会社が単に恩恵的に支給するものではなく、賃金の一部でもあり、いわゆる会社業績の成果
の配分でもある。
か行
<可処分所得>
家計の収入から税金や社会保険の保険料を差し引いた金額(所得のうち自由に使える所得)のこと。税金や社会保険料な
どに支払われる支出を非消費支出、食費や居住費などの生活費の支出を消費支出という。
<完全失業率>
仕事をしている人(就業者)と失業者を合わせた人(労働力人口)に対する失業者の割合を完全失業率といい、全国から選んだ
15才以上の10万人について算出する。失業者というのは、総務庁の定義では「毎月の末日に終わる1週間中に少しも
仕事をしなかった者のうち、
いつでも就業が可能で就業を希望し、かつ仕事を探していた者および求職活動の結果を待っていた者」をいう。
調査期間中に1時間でも収入をともなう仕事をした場合や調査期間中に求職活動をしていなかった場合は失業者とはみな
されず、失業者は実態以上に少なくカウントされている。
<基本給>
賃金のうち、基本的な部分で、一時金(ボーナス)の算出基礎額になる部分。基本給に毎月決まって支払われる手当(家
族手当、住宅手当など)を加算したものが基準内賃金といわれている。
<基準内賃金>
就業規則や労働協約で定められている労働時間(所定労働時間)働いて得られる賃金のこと。通常は、基本的な賃金に、
毎月きまって支払われるこども手当や住宅手当などが加算された額になっている。所定内賃金を時間外労働の割増賃金な
どの算定基礎額にする場合があるので、その定義については、労使で取り決め就業規則や労働協約に明記しておくことが
必要。
<経常利益>
企業が決算期中に事業活動で得た利益。企業の収益性を判断する重要な指標として一般的に用いられている。本業の利益
を示す「営業利益」に支払利息など本業以外の「営業外損益」を加えて算出する。当期純利益は、経常利益に特別損益を
加え、法人税を差し引いた額。
・営業利益=(売上高-売上原価-販売費・管理費)
・経常利益=(営業利益+営業外損益)
・当期純利益=(経常利益+特別損益-法人税)
<購買力平価>
各国の国内で、同じ内容、同じ消費財、同じサービスが購入できる各国通貨単位の比較値のことで、実質的な賃金水準を
比較することができる。
さ行
<最低賃金>
使用者が労働者に支払わなければならない最低の賃金額のこと。最低賃金法で地域ごと、産業ごとに定められている(労
働基準法では、賃金の最低基準に関しては最低賃金法の定めるところによるとされている)。最低賃金はパート労働者や
アルバイトにも適用される。
<消費者物価>
世帯が消費する財やサービス価格の変化を示す統計値。また「消費者物価指数」とは、全国の世帯が消費する財・サービ
スの価格変動を示す代表的な物価指標であり、総務省が毎月発表している。
<春闘(春季生活闘争)>
「春季闘争」の略語で、毎年春に労働組合やその全国組織が一斉に賃金引上げなどを要求する運動。労使による交渉が行
われる。闘争内容は、賃金引上げや、雇用維持、労働時間の短縮、ワー ク・ライフ・バランスの実現など、多岐に亘る。
<実質経済成長率>
実質GDP(国内総生産)の前年(対前期)に対する増加率のこと。また、実質GDPとは、GDPの一種で、物価の変動によ
る影響を取り除き、その年に生産された財の本当の価値を算出したもの。
<実質賃金>
名目賃金を消費者物価指数で割った金額のこと。労働者に支払われる賃金(名目賃金)は、物価の変動がある場合、どれ
だけの生活物資を購入できるかわからないことから、賃金を購買力にもとづいて評価するものとして使われる。
<セーフティネット>
世の中に存在する様々なリスクから、個人を救済するためのシステム。狭義には、年金、医療、介護、生活保護などの社
会保障を指す。
た行
<団体交渉>
団体交渉は、労働者の団体が使用者またはその団体と労働協約の締結、労働時間、貸金、その他の労働条件に関して交渉
を行うこと。また、交渉を行う権利のことを「団体交渉権」といい、憲法で保障された労働三権のひとつである。使用者
は、労働組合からの団体交渉の要求に正当な理由なく拒否することはできない。
<定期昇給>
定昇とは、1歳1年経ったら、賃金を賃金制度に基づいて一定の基準にしたがって増額すること。
は行
<物価指数>
物価水準の動向を総合的に判断するため、基準時点を100とした主要品目の物価の変動率を計算し、それぞれの品目が
物価全体に及ぼす比重を加味して算出した指数。日本銀行が作成する総合卸売物価指数、総務庁が作成する消費者物価指
数がある。
<ベア(ベースアップ)>
ベースアップとは企業収益や物価の上昇等、経済・社会情勢の変化によって賃金水準を引き上げること。定期昇給とは別
に、賃金体系における賃金水準全体を引き上げることをいい、生活水準の向上につながる。
<ホワイトカラーエグゼンプション>
ホワイトカラー労働者に対する時間外賃金支払いについての法規制を適用除外(エグゼンプト)すること。もともとは、
アメリカ公正労働基準法(FLSA)13条(a)(1)に由来する。産業界から日本への導入を求める声が挙がったのをきっか
けに、厚生労働省の労働条件分科会において検討が開始され、2006年12月27日に労働政策審議会が答申を行った。
ま行
<名目賃金>
毎月支給される賃金。物価の変動に関係なく毎月同じ額が支給されるので、名目上の賃金という意味で名目賃金という。
名目賃金に対して、名目賃金を消費者物価指数で割った金額を実質賃金といい、賃金を購買力にもとづいて評価するもの
として使われている。
ら行
<連結決算>
親会社、子会社別に決算するのではなく、子会社を含めた企業グループを一つの企業として決算すること。連結決算の対
象になる子会社は、通常50%以上の持ち株支配されている場合であるが、実質的な支配権が及ぶ「実質支配力基準」に
より拡大されている。
子会社を利用した粉飾決算を防ぎ、企業の真の姿を示すものといわれている。2000年3月期から義務付けられた。